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2015年01月30日 (金) | Edit |
遠くの声に耳を澄ませて / 宮下奈都



人生の岐路に立つ人々を見守るように描く、12編の短編集。

一つ一つ丁寧に描かれている短編集です。
主人公たちが、皆それぞれ自分の信じる生き方をしていて、けれど悩み模索する様子が伝わります。どのお話も良かったです。
本来、私は短編集が苦手です。短いお話が終わるたびに、気持ちをすぐに切り替えて読むのが苦手だからです。
けれどこの本は、一つのお話のページ数は少ないのですが、どのお話にもスッと入っていけ、それぞれの主人公たちの気持ちもちゃんと伝わってきます。
進むにつれて、少しずつ話が繋がっていくことや、登場人物が所々でリンクしているので、もう一度そこを読み返したり、違う一面も見れたりするのが楽しかったです。

特に印象に残ったのは「白い足袋」の咲子のお母さんの言葉です。
今の生活レベルってどんなんやの。電気がほんとにそんなに要るんか、ほかに方法はないんか、考えたことあるんか
まじめに働く漁師に未来がないなら、この国にも未来はないわ
海で暮らしてるもんから海を取り上げる権利が誰にあるんや

主人公たちは皆、地味なのですが一生懸命に生きています。怠惰にならず、自分の出来ることを頑張ろうと思わされる作品でした。
やっぱり宮下さんの作品は素晴らしいです。

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