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2015年06月27日 (土) | Edit |
ドラフィル!―竜ヶ坂商店街オーケストラの英雄
/ 美奈川 護




音大を出たけれど音楽で食べる当てのないヴァイオリニストの青年・響介。叔父の伝手で行き着いた先は何もない町、竜ヶ坂の商店街の有志で構成されたアマチュアオーケストラだった。

商店街のアマオケっていいですね。普段は違う仕事をしているけれど、楽器も演奏できるのってかっこいいです。
章ごとに曲が書いてあるので、読みながらどんな曲か聴いてみればよかったなぁと、ちょっと後悔しています。
クラシックに疎いので、そんな風に読んだらもっと楽しめたんじゃないかと思います。

七緒の言葉使いはちょっと気になりました。
ラノベっぽいと言いますか……決してラノベを否定しているわけではないのですが…。

ラストの演奏場面が良かったです。
ランドルフィが吼え、七緒が響介の音に合わせるように腕を振り上げる。
演奏の迫力がよく伝わってきます。

イラスト、かわいいですね。

2015年06月22日 (月) | Edit |
ふたりの証拠 / アゴタ クリストフ



悪童日記」の続編です。
今回は、登場人物に名前がついています。
あれから祖母の家に戻ったのはリュカ(LUCAS)、国境を越えたのはクラウス(CLAUS)でした。
本書の8章中7章までは、リュカの物語です。
その物語の中には、個性的な人々がたくさん登場します。
本屋のヴィクトール、ヤスミーヌとその息子のマティアス、党書記ペテール、図書館員のクララ、不眠症の男など…。
ジョゼフやヴィクトール…なぜ、双子のもう一人のことを尋ねないのだろう?とは思いましたが……。
ラストで、そんな展開になるとは本当に驚きました……。
もう頭の中が?だらけです。
次の「第三の嘘」が完結です。
一体どうなっているのか?どうなるのか?楽しみです。


2015年06月21日 (日) | Edit |
小野寺の弟・小野寺の姉 / 西田征史



東京の片すみ、木造一軒家に二人で暮らす小野寺進と小野寺より子の姉弟。引っ込み思案な弟と、こだわりが強く生命力の強い姉は結構な歳だけど独身。特別仲がよいわけでも、悪いわけでもないけれど、なんだか支えあって暮らしている。

40歳の姉・より子と30代半ばの弟・進が日常を交互に語ります。
とても読みやすく、小野寺家のほんわかな雰囲気を感じました。
映画の番宣で、この本のことを知ったので、片桐はいりさんと向井理さんのイメージが離れませんでした。。
恋愛はとても不器用な姉と、姉ちゃんに先に幸せになってほしい弟。
姉の恋愛、上手くいってほしかったな……。

大量の葱とすり胡麻のそうめんが美味しそうでした。
生卵を入れたらおいしいのかな?一度、試してみようかな。

小野寺家の普通の日常、特に何かあるわけではないのですが楽しめました。



2015年06月19日 (金) | Edit |
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ 上・下
/ E L ジェイムズ




女子大生のアナは、親友の代わりに、巨大企業の若き創業者兼CEOのクリスチャン・グレイをインタビューすることになった。ふたりは急激に近づいていくが、やがて、グレイの倒錯した秘密の顔が明らかに……。

三部作の第一弾です。
これだけで長く感じましたが、まだ第一弾なんですね。
(上)は面白く読めたのですが、(下)はなんだかしんどくなってきました。
アナの「内なる女神」や「潜在意識」とかの若いノリについていけない感じです。
そのせいか、アナの言動にあまり共感できず…。
クリスチャンは、すごくアナのことを尊重していたと思うのですが……ラストのアナの行動は特に?でした。
当初の目的は「彼も体に触らせてくれるかもしれない」だったのでは…?
アナが許可したからクリスチャンは実行したわけで……。

続きは「フィフティ・シェイズ・ダーカー」と「フィフティ・シェイズ・フリード」……まだまだ続きます。
クリスチャンの過去は知りたいのですが、アナの語りがどうにも苦手で……とても残念です。


2015年06月18日 (木) | Edit |
ラブレター / 可南さらさ



BL小説です☆

両親を亡くし、父の友人だった安井の家にひきとられた広海。ぶっきらぼうだが優しい長男の良平に惹かれ告白するが、「くだらない」と言われふられてしまう。2年後、広海は1人暮らしをしている良平のもとを訪れ3日間だけ泊めてもらうことになった。

二つの話が入っています。
一つは安井家・長男の良平と、安井家にひきとられた広海の話。
もう一つは安井家・次男の康平と、幼馴染で親友の旭日の話です。

どちらの話も泣きました(T_T)
広海と旭日の健気さがもう切なくて、切なくて……。
安井兄弟は、もうなんかイライラしました(>_<)
二人、兄弟なだけにイヤ~な所が似てます……。

私は個人的には人見知りで無口な旭日が、かわいくて好きでした(´▽`)

切ないBLを読みたい時にお勧めです。

2015年06月15日 (月) | Edit |
煩悩の子 / 大道珠貴



1970年代の福岡。小学五年生になった桐生極(きわみ)は、周囲にズレを感じているが、まだその「違和感」を上手く言葉にできない。どういう局面でも腑に落ちないし、落ち着かない。でも、油断はしていない。

身体が大きくて、笑うのが下手で、目つきが悪く、自意識過剰な極は小学4年生の時にはあらゆることに絶望していたのに、小学五年生になると絶望がどこかに吹っ飛びます。
極は周りをよく見てるし、常に色々なことを考えています。
子供の世界って大変です……弱い立場で逃げ場もないですし……。

新海先生は……なんだか中身が子供みたいな先生でしたね。身体測定の行動にはゾっとしました…。

極はこれからも、極らしく、へこたれても強く生きていきそうです。

2015年06月14日 (日) | Edit |
小さいおうち / 中島京子



昭和5年、タキは親類の伝手で山形から東京へ上京し、小中家の女中となる。約1年後、14歳の時に小中氏の妻の紹介で、平井家に奉公に上がり、優しい時子奥様に仕えることに喜びを覚える。

住み込みの女中として働いていたタキが、回想しながらノートに綴っていきます。
そのノートを読む甥っ子・健史とのやり取りが交互に繰り返され物語は進んでいき、とても読みやすいです。
戦前をしらない健史との、やり取りも面白いです。

知らないことばかりで、とても新鮮でした。
昭和初期の東京の中流家庭の暮らしぶりが丁寧に描かれています。
林真理子さんの「本を読む女」もそうでしたが、私がこれまで抱いていた戦前のイメージとは違い、豊かで明るく穏やかな雰囲気だったのですね。
戦争がなければ、昭和15年に東京オリンピックも、万国博覧会も開催される予定で、好景気で楽しく浮かれたような日本の雰囲気に驚きました。
その頃に東京府と東京市がいっしょになって東京都になったことも知りませんでした。

ゆっくり少しずつ太平洋戦争に巻き込まれてゆく庶民の日常がリアルに描かれています。
常に日本軍優勢が報道され、庶民はそれを信じています。
その報道が本当ではなかったことを知るのは、もう少し後です。

タキの平井家に対する健気さと気遣い、献身には脱帽します。
何よりも大切な人、大切な家が、空襲で失われてしまった所で、タキはもうノートに綴ることが出来なくなります。
戦争は大切なモノを何もかも奪い、壊してしまう……それが事実です。

旦那様、明るくて綺麗な奥様・時子、恭一坊ちゃま、板倉青年、タキ……人間模様にも引き込まれました。

本当に素晴らしい作品です。
装丁もとてもステキでした。

2015年06月13日 (土) | Edit |
給食のおにいさん 進級 / 遠藤彩見



給食のおにいさん2冊目です。
今回は、生徒の居眠り、優等生の登校拒否、食事マナーや、いじめなどの問題が出てきます。

読み始めに、早速モンスターペアレントが登場しちょっとモヤモヤします……。

4年1組では、嫌いなものを大量に食べさせるイヤなイジメが繰り返されています。
その問題が長引いていて全体的にかなり重い雰囲気に感じました。
中々解決されないので、真耶ちゃんを早く助けてあげて!と何度か思いました。
ラストで勇気を出して「私はやらない」と言えた真耶ちゃん!ホントにえらい。でも、怖い気持ちがすごく分かります。
この後、何も起こらないないことを祈るばかりです。

4年2組の学級崩壊…。
食事マナーの悪さが問題視されていましたが、あの様子じゃ授業態度も最悪な状態なのでは……。

今回は本当に暗く重く感じました。
由比先生は泣いちゃうし……。
給食委員会の子供たちの健やかさには救われました。
そしてラスト、佐々目が毛利さんに頭を下げる場面は良かったです。

次の「給食のおにいさん 卒業」も、もちろん読みます。


2015年06月11日 (木) | Edit |
探偵・日暮旅人の贈り物 / 山口幸三郎



シリーズ4冊目です。
旅人たち善良な家族が何故、事件に巻き込まれてしまったのか…過去が全て明かされます。
18年前の事件の完結編です。
ハラハラしながら一気に読んでしまいました。


悪魔はもうどこにもいない。
ただ、生きようとする人間が目の前にいるだけだ。


愛の旅では、灯衣ちゃんの母親が登場します。
こちらも、かなり重い内容です。救いがないようなお話…。
灯衣ちゃんを祖父母に返してあげなくていいのかな?

「たぁくん」と「陽子ちゃん」は今後どうなるのでしょう?
この様子じゃ、しばらく進展はなさそうですね……。

続編もあるようなので楽しみです。


2015年06月10日 (水) | Edit |
終わらない歌 / 宮下奈都



よろこびの歌の続編です。
高校2年生の頃から、3年後を描いた連作短編集です。
高校を卒業し、2Bの生徒だったみんなは、それぞれの道を歩んでいます。
ミュージカル女優をめざしている千夏のエネルギー溢れる様子は、若々しくて眩しいくらいです。
読み終わる頃、THE BLUE HEARTSの「終わらない歌」が頭の中をグルグル回り始めました。
登場人物がみんな優しくて、清々しく、心が洗われるような作品でした。


夢は遠い。希望は儚い。どんなに手を伸ばしてもつかめないかもしれない。
夢も希望も、挫折や絶望のすぐそばにある。
それでも希望を持たないわけにはいかない。夢に向かわずにはいられない。