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2015年05月30日 (土) | Edit |
よろこびの歌 / 宮下奈都



御木元玲は著名なヴァイオリニストを母に持ち、声楽を志していたが、受かると思い込んでいた音大附属高校の受験に失敗、新設女子校の普通科に進む。挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せずにいた。

御木元玲とクラスメイトたちの連作短編集です。
中高生の合唱を聴くのが好きです。声がきれいでのびのびしていて、心が洗われるような気持ちになり、なんだか泣けてきます。

玲も好きですが、何事も自然に頑張れる千夏も印象的でした。
思い通りにいかなかったり、コンプレックスに悩んだり、それぞれみんな悩みがあるのですが、それでも前へ進んでいきます。
清々しく眩しい青春小説です。


目指すのは何かといわれれば……よく生きること

2015年05月29日 (金) | Edit |
探偵・日暮旅人の忘れ物 / 山口幸三郎



シリーズ第3弾です。
とても面白くて、充実した内容でした。今回は5編を収録しています。

爆弾魔の憂鬱」では爆弾を製造している朝倉権兵衛が登場します。
爆弾を仕掛けようとしますが、行く先々で灯衣ちゃんと旅人に邪魔される様がユーモラスに描かれています。
灯衣ちゃんと旅人の会話が可笑しくて(*´▽`*)

雪の道」ではユキジの過去、そして旅人との出会い、灯衣ちゃんを預かることになった場面も描かれています。
ユキジと出会う前、旅人はどうやって生きてきたんでしょう?
今でこそユキジに出資してもらって、探偵事務所をしていますが…。

そして「夢のぬくもり」で、なぜ旅人は本名を名乗ってるのかな?と私が常々疑問に思っていたことの理由が分かりました。
復讐するなら、名前を隠していた方がいいんじゃないかなと思っていたのですが、違うんですね。
わざとだったんですね…当時の関係者を釣るため……。
そして、釣られた白石警部……まさか、こんなに早く旅人と白石警部が接触すると思ってなかったので驚きました。
ラスト…すごい場面で終わってしまいました(^▽^;)
次巻がすごく気になります!早く読みたいです。


2015年05月28日 (木) | Edit |
ビブリア古書堂の事件手帖 6 ~栞子さんと巡るさだめ~
/ 三上 延




今回は一冊まるごと「太宰治」のお話でした。
かつて栞子に大けがをさせた田中敏夫が仮釈放の身で再び登場し、別の太宰治の「晩年」を探してほしいと依頼してきます。
この回は登場人物が多く、人間関係が複雑でした。
あれっ?この人誰だっけ?…記憶力が衰えてきた私は、そんなことを繰り返しながらなんとか読み終えました。
古書に対する信じられないくらいの執着、執念深さが怖いくらいです。
人間関係がまたドロドロで……シリーズももうラストに近づいてきたようです。

栞子さんが「二度と、あんなことはしない」と言ったことが嬉しかったです。

次巻も楽しみです。


2015年05月27日 (水) | Edit |
給食のおにいさん / 遠藤彩見



コンクールで優勝するほどの腕をもちながら、給食調理員として働くことになった佐々目宗。子ども嫌いな彼を待っていたのは、保健室登校生や太ってしまった人気子役など問題を抱える生徒ばかりで…。

読みやすくて面白いです。
学校給食のお話なんて珍しいので新鮮でした。
毛利さんとの微妙な関係や、子供たちが抱えている問題を、食べることや作ることで問題解決へと繋げていく様子が興味深く引き込まれました。
佐々目が少しずつ学校に馴染んでいき、大事なことを学んでいく過程が良かったです。

私も小学校・中学校は学校の中で、給食のおばさん達が作ってくれた温かい給食を食べていました。
どのおかずも本当においしかったことをよく覚えています。

次巻が楽しみです(´▽`)

2015年05月25日 (月) | Edit |
けむたい後輩 / 柚木麻子



大学で元詩人の先輩・栞子に出会い、心酔していく真実子。親友を栞子に取られたようで美里は面白くない。一方、栞子の恋人・蓮見教授は美里の美貌に心を奪われて―。女子大で入り交じる、三者三様のプライドとコンプレックス。

真実子の栞子への異常な心酔ぶりや、栞子のダメ男好きな所など、なんで?と思いますが、人間の様々な感情が赤裸々に描かれているのが面白いです。
真美子の親友・美里のイライラする気持ちもよく分かります。
一生懸命やれることはやる!と努力し続ける美里には好感を持ちました。
どんな展開になるのか?と思いましたが、ラストはとても柚木さんらしくて爽快でした。


2015年05月24日 (日) | Edit |
神さまたちの遊ぶ庭 / 宮下奈都



北海道を愛する夫の希望で、福井からトムラウシに移り住んだ宮下家五人。そこは「神々の遊ぶ庭」と呼ばれる大自然に抱かれた土地。宮下家の一年間の暮らしが綴られたエッセイ集。

エッセイ集とは知らずに、読み始めました。
トムラウシに住むのかぁ~面白そうな物語だなぁと思いながら読んでいたのですが、「宮下漆黒の翼」の箇所で、爆笑しながら宮下さんのエッセイだと気付きました。
すごく楽しいです。笑ってしまう箇所が多々あります。
宮下さんて、すごくユーモアのある人でもあったんだなと益々好きになりました。

こんな素敵な土地に住めたなんて羨ましいです。
そして子供たちがかわいいです。宮下さんの愛情いっぱいの気持ちも自然に伝わってきます。
貴重な一年間の暮らしの中に、大事なことがたくさん描かれていて、迷ったり悩んだりした気持ちも苦しいほど伝わりました。
そして、大変そうなことも、楽しい出来事にしてしまう宮下さんがとてもいいなぁと思いました。
どんなことも、自分の気持ちの受け取り方次第なんだと改めて感じました。

素晴らしいエッセイ集です(´▽`)


2015年05月23日 (土) | Edit |
クラスメイツ〈前期〉/ 森 絵都



北見第二中学校・1年A組、24人のクラスメイトたちそれぞれを主人公にした連作短編集。1年間を通して変化していく関係や思いを描く、前期・後期の全2巻。

自分が中学生のときに、この本に出会えていたら良かったのになぁ~。
十人十色、それぞれの個性があって、それぞれ思うことは様々で、それでいいんだ!って思えます。
時々、登場する担任の先生も好きです。

椰月美智子さんの「市立第二中学校2年C組 10月19日月曜日」を思い出しました。
椰月さんの方は一日でしたが、こちらは一年です。
豊島ミホさんの「初恋素描帖」も中学2年生×20人の連作短編集でしたね。
こういう連作短編集は大好きです。

面白くて読みやすくて、あっという間に読み終えました。
後期も楽しみです(´▽`)


2015年05月21日 (木) | Edit |
執事の特権 / 榎田尤利



BL小説です☆

乃木坂製薬の営業職の面接に出向いた仁は、なぜか秘書候補として創始者の孫である乙矢の住む屋敷で暮らすことになるが、乙矢は潔癖性で人間嫌いで毒舌家でわがままでひとりよがりで神経質な男だった。

強迫性障害の乙矢に、忍耐強い体育会系の見習い執事・仁。
乙矢が、相手に触れないし触らせないのは、自分に触って汚れるといけないから…。
「私に触られて、嫌じゃないか…?」
本当は優しい乙矢に、切なくなります。
「ですが室長は少しも汚くありません」
何度も「汚くない」と言う仁。

ゆっくり丁寧に進んでいたのに、ラストだけが早急すぎるような気がしましたが、富益さんとのやり取りが面白かったので、これでいいのかもと思ったりしました。

内容がよく分かる題名でいいですね(´▽`)


2015年05月19日 (火) | Edit |
神様のカルテ 2 / 夏川草介



この小説を読むと、医者という職業について考えさせられます。
東京の病院から帰郷した進藤先生が抱える問題が、後半の話にもつながっていきます。
夜中も休日も呼び出され身を削る医師…けれど医師には大切な家族もいます。
日本の医療現場は、もっと根本から変える必要があるのでしょう。
哀しく切ない場面があります。
ラストの方は、やっぱり泣いてしまいました。
登場人物が、温かく優しい人たちばかりです。


2015年05月18日 (月) | Edit |
ふる / 西 加奈子



池井戸花しす、28才。周囲の人間に嫌われないよう受身の態度をとり、常に皆の「癒し」であろうとして、誰の感情も害さないことにひっそり全力を注ぐ毎日。

主人公・花しすの日常を描いていますが、現在・過去を行ったり来たりします。
花しすが周りの人達に嫌われないように必死に生きているのは共感しました。
いつも誰にもくっついてる、ふわふわとした白いものの存在や、色々な場面で、様々な年齢・職業となって登場する新田人生さんなどは、正直読み終わってもよく分からなかったです。
けれど、西さんらしい作品だと思いました。
花しすの2011年12月23日を知るために、それまでの花しすの人生が綴られていたんだと感じました。

その人が、その人の人生を生きているということは、ほとんど奇跡だ。

自分は生きている。
何かを忘れ、何かに忘れられ、誰かを傷つけ、それが自分の責任であって、そして誰かに傷つけられ、そのことで誰かを恨むことになっても、自分は、今、それらたくさんの「今」の先端で、生きている。それだけで、祝福されている。


レコーダーを手放すことができて良かったね。