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2015年04月29日 (水) | Edit |
ピンクとグレー / 加藤シゲアキ




大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、芸能界を舞台に"成功と挫折"それぞれの道を歩む。親友同士の儚く切ない人生を描いた青春小説。

最初の方は時間軸があっちこっちに行くので、ちょっと読みづらく感じましたが、途中からはすごい勢いで引き込まれました。
芸能界の光と陰、それに伴う二人の微妙な距離感が、苦しいほどよく伝わります。
ごっちの選択には衝撃を受けました。思っていたよりも重い内容でした。
りばちゃんとごっちの友情には感動すら覚えましたが、やっぱり冷静に考えるとその選択には疑問を感じます。このような華やかな世界を経験をしたことはない私には理解できないのでしょうか。残される人のことを思うと辛いです。
ラストの第十四章では、ごっちの方の気持ちもよく伝わり、余計に切なくなりました。
二人の深い友情が印象に残る、素晴らしい作品でした。

2015年04月26日 (日) | Edit |
ねじまき片想い ~おもちゃプランナー・宝子の冒険~ / 柚木 麻子



毎朝スカイツリーを見上げながら、水上バスで通勤する富田宝子、28歳。浅草にあるおもちゃ会社の敏腕プランナーとして働く彼女は、次から次へと災難に見舞われる片想い中の西島のため、SP気分で密かに彼のトラブルを解決していく。

とても気に入りました。主人公の宝子が好きです。
次々とおもちゃのアイデアが溢れる宝子の様子が活き活きとしていて、読んでいて楽しかったです。
西島のために頑張る様子も面白いです。
そして、宝子の報われない片想いにも、同じように一喜一憂し、喜んだり切なくなったりしました。
宝子の片思いを、職場の人たちが全員気づいていて、協力したり、優しく見守っている様子も和みました。

心残りは、西島くんとこの先どんな関係になるのか…今後をもう少しだけ書いてほしかったです。気になります(^▽^;)


柚木さんの作品は相変わらず独特で面白いです。

2015年04月25日 (土) | Edit |
バッテリー Ⅲ / あさのあつこ



3巻です。
巧の頑固で生意気で自信満々の強気な態度は相変わらずで、もうイヤになるくらいです。けれど、それが素の巧なのでしょうがないです。巧の個性です。
中学の野球部なんて爽やかなイメージですが、それぞれに思ってることはバラバラで…この巻では展西が思ってることを監督にぶちまけます。

大人達のそれぞれの事情や想いも錯綜します。
監督であるオトムライが生徒たちにしてあげたい事、それに対して校長は立場や責任を考えます。
けれど、やっぱり野球を一生懸命まじめに頑張ってきた子たちに、野球を取り上げないでほしい、野球をさせてあげてほしいです。

そしてこの巻では、ようやく野球の試合をします。
先輩である海音寺、野々村が出てくる場面も多く、物語が広がります。

豪が巧に言うセリフが印象に残りました。
野球が好きでたまらんのは、おまえだけじゃないんじゃぞ」………(略)
豪の言う意味がわからなくても、豪が真剣に言うことなら聞く価値はある…巧にとって豪は特別な存在です。
「バッテリー」という題名がしっくりきます。


2015年04月24日 (金) | Edit |
探偵・日暮旅人の探し物 / 山口幸三郎



日暮旅人は名字の違う娘と暮らしながら、探し物専門の奇妙な探偵事務所を営んでいる。
音、匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。旅人は、目に見えないモノを“視る”ことで探し物をしているというのだが―。

面白いです。探偵とありますが、山口さんがあとがきで書いている通り、犯人やトリックを暴いたりはせず、ただ探すだけです。
私はそれがとても気に入りました。
ミステリーだと、どうしても誰かが悪いことをした犯人で、事件が解決しても悲しい気持ちが残ってしまうことがあり、読みおわってもスッキリしないことがあるからです。
最後の終わり方で、今後犯人という人が登場しそうですが、まだまだ先のようです。
物語は全体的に、ほっこり温かいお話です。なので、余計にラストの旅人とのギャップがあり謎めいています。
今後がとても気になります!

表紙のイラストがお話の雰囲気にとても合っていて気に入りました(´▽`)
旅人も灯衣ちゃんもイメージ通りです。開くと陽子や雪路のイラストもあり、二人も雰囲気そのままです。
表紙がキレイなのは嬉しいです。

2015年04月19日 (日) | Edit |
第二音楽室 - School and Music / 佐藤多佳子



学校と音楽にまつわる短編集です。つながりのない様々な年代の小学生、中学生、高校生のガールズストーリー。
「第二音楽室」「デュエット」「FOUR」「裸樹」4つのお話です。

とても良かったです。特に「第二音楽室」と「裸樹」が好きです。
「デュエット」はとても短い短編ですが、一番爽やかで、この話も好きです。
どのお話も、主人公の女の子たちは派手でも、目立つ子でもなく普通の女の子たちです。

「第二音楽室」は、ルーちゃんのおかげで、みんないじけたりせず、普段なら一緒に集まることのないメンバーで楽しくすごして、秘密を共有してる雰囲気がとても良かったです。
自由なルーちゃんが好きです。池谷と対峙する時の場面も好きです。
おまえらには、わかんねえよ
その後、第二音楽室に行けなくなったのは寂しいですが、あの楽しい秘密の時間はいい思い出になるだろうなぁ。

「裸樹」は夢中になって読みました。辛いことがあった望に「がんばれ、がんばれ」と願いながら読んでしまうお話です。
こんな些細なことがきっかけで、いじめられて学校に行けなくなってしまう子って沢山いるんだろうなと切なくなります。
望は高校生になり、もう一度学校に通い始め、本当に頑張ります。
望が授業のことを忘れてギター弾く場面や、ラストの奈美たちと演奏する場面が好きです。
下手でも、奈美たちと演奏をやり遂げた時の満足感が伝わります。

爽やかな話が多く、どのお話も読んだ後は清々しい気持ちになります。
そして、音楽の素晴らしさがストレートに伝わります。
やっぱり佐藤多佳子さんの本が好きだなぁと、しみじみ思いました。

2015年04月17日 (金) | Edit |
月と蟹 / 道尾秀介



「ヤドカミ様、僕の願いを叶えて」やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。子供たちの切実な心が胸に迫る、第144回直木賞受賞作品。

初めて、道尾さんの本を読みました。
あまりにも暗いので、前半は挫折しかけました。
転校生に冷たいクラスメート達にも、がっかりしました。何もかも上手くいかない子供たちに、読んでいると苦しくなります。
明るい所が一つもなく、ずっと重苦しいです。
慎一と春也、幸せになってほしいと願うばかりです。

2015年04月15日 (水) | Edit |
不器用な策略 / 椎崎 夕



BL小説です☆

六年勤めた会社を退職した一基は、神野に強引に誘われて洋食屋「はる」で働くことに。シェフの長谷とは犬猿の仲だったが、神野への恋心を秘密にする代わりに「虫除け」の恋人としてつきあうことになる。来る者拒まず去る者追わずだが、恋人には優しい長谷。しかし、長谷には恋人よりも大切な相手がいるようで…。

一基と長谷がなかなかくっつかないんですよね。
そういうのは好きなのでいいのですが、やっとお互いの気持ちが通じ合ったと思ったら、すぐに終わってしまったので残念でした。
二人の仲の良いシーンも、もっと読みたかったです。なので、「不器用な告白」もぜひ読みたいです(´▽`)
長谷も面倒な性格でしたが、神野さんも結構ややこしい性格でしたね(^▽^;)
登場人物も多く、紆余曲折あり、読みごたえがあって良かったです(´▽`)

シンと牧田くんの「無防備なたくらみ」も読みたいです(´▽`)


2015年04月13日 (月) | Edit |
スウィングガールズ / 矢口史靖



映画からのノベライズ。監督・矢口史靖初の書きおろし青春小説。ビッグバンドジャズに魅せられた田舎の少女&少年の瑞々しい日々。

大らかな友子たちと山形の方言がピッタリ合っていて面白いです。
そして友子たちが、こんなに一つのことに集中して頑張ることができるのが驚きです。
たとえ上手くいかなくても、へこたれない様子が爽快で、みんなで一緒に何かをするワクワク感も伝わり、最後まで楽しく読めます。
みんな夢中になれるものに出会えて、青春を謳歌してて羨ましいです。

小説の中に出てくる曲を聴いてみたいし、友子たちがどんな演奏をしているのか気になるので、読んだ後は映画が見たくなりました(´▽`)

2015年04月10日 (金) | Edit |
ねずみ石 / 大崎 梢



中学一年生のサトは四年前の祭りでの夜の記憶がない。その時、村で起きた母娘殺人の犯人は未だに判明していない。親友セイとともに、祭りを調べていくうち、サトは事件の真相へと迫っていく。

ミステリーだと知らずに読み始めたので、途中で驚きました。
「夏のくじら」「クローバー・レイン」「配達あかずきん」とも雰囲気が違います。
田舎の独特の空気が伝わります。
そして、また新たな殺人事件が起こったので怖くなり、ハラハラしました。
隠し事はそれぞれあっても、サト、セイ、修ちゃんが爽やかだったので読みやすかったです。
修ちゃんの舞、見たいなぁ(´▽`)

2015年04月08日 (水) | Edit |
バッテリーⅡ / あさのあつこ



巧たちが中学生になりました。巧は相変わらず、自分が納得しないことには協調も妥協もしないので、ハラハラします。

風紀委員になってしまった矢島さんの場面では、中学、高校の時にあった服装検査や髪の長さチェックとか、その他のどうでもいいような細かい規則を思いだしました。
野球部は坊主にしないといけないという規則も不思議です。好きな髪型させてあげたらいいのになって、よく思います。
一部の部員が不祥事を起こした時の全体責任…出場停止とかは、本当にやめてあげてほしいです。
真面目に練習していた、全く事件に関係ない生徒たちが巻き込まれるのは可哀想すぎます。
海音寺君、気の毒です。今後、どうなるのでしょう?
2巻は、陰湿な暴力があり、読むのが辛かったです。
こうなってくると、今後も心配ですね。
青波くんには癒されましたが…(´▽`)

あさのさんのあとがきが印象的でした。
「バッテリー」を少年の成長物語などと言わせるものか。友情物語などに貶めたりしない。
この作品への拘りの強さが、熱く伝わりました。

なんだか、この先を読むのが怖いような気持ちですが、次巻も読みます。