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2015年03月28日 (土) | Edit |
お任せ! 数学屋さん / 向井 湘吾



数学が苦手な中学二年生の遥のクラスに、転校生・宙がやってきた。「数学で世界を救うこと」が将来の夢だと語る彼は、ある日突然、どんな悩みでも数学の力で必ず解決する「数学屋」なる謎の店を教室内で開店する。

日常生活の悩みを数学で解決しようとする宙くん。
数学が苦手な私には、数式とか出てくるだけでもうダメです……難しいです。
ですが、青春小説です。みんなの悩みも学生らしいものです。
この悩みをどうやって数学で?と思うのですが、うまく数学で解決していきます。

中学一年の息子は、この本を「面白い!」と大絶賛しています。
ロールケーキの件など、所々で大興奮です。
私は数学がさっぱりなので、そこまで楽しめなくて残念です。学生の頃に読んでたら、数式などもう少しは理解できたかな?と思うのですが…。
中高生の子供たちにお勧めですね。

2015年03月27日 (金) | Edit |
偉大なる、しゅららぼん / 万城目 学



高校入学を機に、琵琶湖畔の街・石走にある日出本家にやって来た日出涼介は、お城の本丸御殿に住むことになる。実は、日出家は琵琶湖から特殊な力を授かった一族。日出家のライバルで、同様に特殊な「力」をもつ棗家の長男・棗広海と、涼介、淡十郎が同じクラスになる。

「しゅららぼん」とは一体何なんだろうと思いながら読み始めました。
この作品も、万城目さんの独特の世界だなぁと感じつつ、一気に引き込まれました。
強烈な登場人物たち…淡十郎や清子を筆頭に、パタ子さん、棗広海と、色々な人たちに振り回される亮介。
いたって平凡な主人公の涼介が、お城に住むことになったり、赤い制服を着ることになったりと、非現実的な日常がコミカルでとても面白いです。
ユーモアいっぱいなのに、登場人物たちの切なさや、やるせなさも伝わります。
物語のテンポが良く、最後までずっと楽しめました。
ラストの終わり方も好きです。大満足です。

万城目さんの本は
鹿男あをによし」「かのこちゃんとマドレーヌ夫人しか、まだ読んでないので他の作品もどんどん読みたいです。

2015年03月22日 (日) | Edit |
本を読む女 / 林 真理子



本を読むのが好きな万亀は、突然の父の死と戦争の始まりによって、否応なく時代の流れに巻き込まれてしまう。進学、就職、結婚という人生の岐路において、常に夢や希望を現実に押しつぶされつつも、読書を心の支えに懸命に自分の人生を生き抜く。著者自身の母親をモデルに、一人の文学少女の半生と昭和という時代を描く。

山梨県の裕福な和菓子屋の末娘・万亀を通して、戦前から戦後の様子が描かれています。
戦前、東京はあんなに華やかな雰囲気だったんですね。
時代の移り変わりが凄まじいです。

万亀が若い頃の、この時代の首を傾げたくなるような、不自由で理不尽な事の多さに驚いてしまいます。
万亀の姉たちの結婚生活……一度嫁いだら、離婚をすることも出来ず、ひたすら我慢と忍耐の日々。読みながら苦しい気持ちになります。
多くの日本女性が、逃げることもできず、耐え忍んで生きていたのですね。
今の自由な時代に生きていることに本当に感謝です。

時代の流れに翻弄されながらも、必死で生きていかなければならなかった万亀が、本を心の支えにして生き抜きます。
私も、世の中に本があることで随分と救われてきました。
人間は何か一つでも、好きな事や好きなモノがあれば、それを支えに生きていける強さがあると感じました。

この作品は時代背景の描写が素晴らしく、何より林さんの母親に対する愛が詰まった素晴らしい作品です。


2015年03月16日 (月) | Edit |
世界地図の下書き / 朝井リョウ



両親の事故、離婚、DVなどさまざまな理由で児童養護施設「青葉おひさまの家」に入所している子供たちの物語。

表紙はほのぼのとした雰囲気ですが、子供たちにはそれぞれ厳しい現実があり、切なく苦しい小説です。
主役の一班の子供たちは仲が良くて、そこが救いです。

人をいじめるやつはいじめ続ける。何をしても変わらない人がいる。
確かにそうです。
逃げることができるなら、違う世界でまた新しく生活を始めればいいです。
それにしても、悲しい気持ちになってしまうお話です。
佐緒里、麻利、淳也、美保子、太輔…みんな幸せになってほしいです。


2015年03月15日 (日) | Edit |
夢をかなえるゾウ / 水野敬也



ダメダメなサラリーマンの前に突然現れた関西弁を喋るゾウの姿をした神様“ガネーシャ”。 成功するために教えられたことは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかりで…。

くだけた自己啓発本という感じでしょうか。

自分が本当にやりたいことはなんなのかと問いかけられるとドキッとします。
自分が変われるのは行動して経験した時だけ

主人公が本当に普通の青年なので共感しやすいです。
ガネーシャが言うことは、聞いたことのあることばかりなのですが、楽しく分かりやすく説明してくれます。

2015年03月12日 (木) | Edit |
百瀬、こっちを向いて。/ 中田永一



物語が4編収録された恋愛小説集です。

それぞれの主人公たちは皆、華やかではありません。地味で目立たないように過ごしています。
なるべく目立ちたくない気持ちに共感しました(^▽^;)

一番印象的だったのは「なみうちぎわ」です。
高校生の時、水難事故で植物状態になった姫子が、5年後に目を覚ます所から物語が始まります。
衝撃的な始まりかたです。
この物語はその後が気になります。5年後、10年後の姫子と小太郎がどんな風になってるのか知りたいです。

小梅が通る」が一番好きなお話です。
山本寛太の人柄が良かったです。
松代さんと土田さんも好きです。柚木に本当の友達ができて良かった(´▽`)

どれも高校生が主役のお話なので、もっと若い時に読めたら良かったのになぁ~と、思ってしまいました。
どのお話も良かったです。


2015年03月09日 (月) | Edit |
葡萄が目にしみる / 林 真理子



葡萄づくりの町。地方の進学高校。生徒会の役員保坂に寄せる淡い想い。ラグビー部のスター岩永との葛藤。そして、笑いさざめき、かすかに憎しみ合う級友たち―素朴で多感な少女の軌跡。

題名が全てを表している、ほろ苦いような青春小説です。
主人公・乃里子は生まれつき肥満気味で、運動神経が鈍く、友達に指摘されるほどの自意識過剰です。
地方の高校の日常の中、思春期特有の劣等感、嫉妬、痛々しさ、些細な優越感までリアルに描かれています。
もてない女の子のリアルな高校生活です。
あまりにも生々しいので、読んでいるとちょっと苦しい気持ちになります。
この作品は林さんだからこそ書けたのでしょう。これぞ、青春小説です。
山梨の方言も良かったです。

2015年03月07日 (土) | Edit |
春にして君を離れ / アガサ・クリスティー



優しい夫、良き子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていたが、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…。

推理小説ではないアガサ・ クリスティーの本があることを知り読んでみました。
ほとんどが主人公・ジョーンの回想の場面ですが、巧みに引き込まれます。
ジョーンは決して特別な人間ではありません。
優しい弁護士の夫を持ち、三人の子供に恵まれた、裕福な家庭のどこにでもいる主婦です。
最初はジョーンのことを、自信過剰で自己中で、人の気持ちの分からない女性だなと思いながら読んでいました。
けれど読み進めていくうちに、もしかして自分もそうなのでは?自分では気づいてなかったけれど、そういうことがあったのでは?と過去を振り返り考えてしまいます。
誰もが自分の都合のいいように解釈するし、不都合なことには気づかないふりをしたりします…そうしなければ生きていくのが辛くなるから。
自分と向き合うより、気づかないふりをして生きていく方がずっと楽に生きていける……。
弱くて嫌な自分を見つけてしまう……そんな恐ろしい本です。

そしてロドニーのことが、ずっと気の毒だと思って読んでいたのですが、ラストまで読むとちょっとゾっとしました。
農場をしたいなら、結婚前に言うべきでした。もし言ったなら、ジョーンの性格からして結婚しなかったでしょうに。
望む仕事をすることができなかったロドニーの復讐のように感じました。

ジョーンは結局、何も変わらなかったけれど、そこがまたとてもリアルに感じました。
そうそう人間て変われるものじゃないです。

アガサ・ クリスティーを読むのは初めてでしたが、さすがギネスブックで「史上最高のベストセラー作家」に認定されている作家さんです。
少し恐くて、現実的な…素晴らしい作品でした。
中村妙子さんの訳も素晴らしいです。
他のアガサの作品も読みたくなりました。


2015年03月06日 (金) | Edit |
ビックリするほどドジな恋 / ケビン小峰



BLコミックスです☆
作者さんのデビューコミックスだそうです。

2つの話が収録されています。
ビックリするほどドジな恋は、高校生のナオが幼馴染のビックリするほどドジなトムに突然告白をされる所から始まります。
一人じゃ何もできないダメっ子トムと、それを放っておけないお守りのナオのお話です。

微炭酸男子はルームシェアしている、大学生の壮太とミキオのお話です。
壮太はミキオのことが好きなのですが、行動とか表情でもうバレバレなんです。本人はうまく隠してるつもりなのですが…。
自分の言動に一喜一憂する壮太の様子がかわいくて、ミキオはわざと意地悪なことをしたりしちゃうんですよね…。
壮太くん…かわいすぎ(*´▽`*)
野口先輩と昭島くんのキャラもいいです。意味深なカラーイラスト気になりますね。

どちらの話もすごく好きです(´▽`)
絵も内容もかわいくて、ほのぼのとして、純情な主人公たちにキュンとします☆

2015年03月05日 (木) | Edit |
僕は小説が書けない / 中村 航 中田永一



引っ込み思案で心を開くことができず、親しい友人もいない、生まれながらに不幸を引き寄せてしまう光太郎は、高校で先輩・七瀬の勧誘により廃部寸前の文芸部に入ることになる。個性的なメンバーにもまれながら、小説の書き方、自分の生き方を模索していく。

中村航さんと、中田永一さん、二人の合作…どうやって二人で書いたんだろう?と思いながら読んでいました。
まさか交互に書いてるとは、全く気づきませんでした。
ふたりは研究中の「ものがたりソフト」を使って何度も打ち合せをしながら、プロットを完成させ、5~10ページほど書いたら相手に原稿を送り、約1年間かけ二人の間を約30回往復し物語は作られたそうです。
驚きました。そんなことができるなんて…すごいです!

小説の書き方など面白かったです。何でもいいから物語を書いてみたくなります。
登場人物がみんな個性的で楽しく読めました。
イラストも可愛くて、内容にぴったりです。
読後感も爽やかでとても良かったです。