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2014年12月29日 (月) | Edit |
理由あって冬に出る / 似鳥 鶏



高校の芸術棟にフルートを吹く幽霊が出るらしい。幽霊を否定する必要に迫られた高島部長に協力を求められ、葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた!

プロローグと幽霊の噂が、どう繋がるのかな?と楽しめました。
探偵役の伊神さんと、助手の葉山くんのユーモア溢れる会話が可笑しいです。
伊神さんの個性的でマイペースで傍若無人な人柄がいいですね。主人公の葉山くんも気に入りました。
コミカルな雰囲気が読みやすいです。
題名も意味深な感じでいいですね。
表紙の眼鏡女子は誰なのか気になりました。雰囲気的には、高島さんか、柳瀬さんか…。登場人物の容姿がほとんど書かれてなかったのが残念です。

びっしり書いてある「あとがき」が面白いです。ちょっと怖い所もある本編だったので、最後に「あとがき」を読んでリラックスできました。
機械オンチな似鳥さんにも好感を持ちました。

シリーズ物なので、まだ楽しめると思うと嬉しいです。

2014年12月25日 (木) | Edit |
ウィンター・ホリデー / 坂木 司



「ホリデー」シリーズ第2弾です。
表紙のお菓子の家が、とってもかわいいです。ちゃんと「ハチさん便」の荷物があるのもいいですね。
ワーキング・ホリデー」に続き、今回もとても面白いです。

新人アルバイト・大東くんが加わり、大和は先輩となり指導する立場になりました。
大東くん…最初は心配でしたが、なかなか面白いキャラでしたね。
「ハチさん便」は、ますます賑やかになりました。

進の母・由希子はどんな人なのかなぁ~?と、由希子が出てくるのがずっと楽しみでした。そして後半で、ようやく登場し、期待を裏切らない人柄で、とっても盛り上がりました。
進の友達・コウタも初登場しました。しっかりしすぎている進とは正反対のキャラがなかなか良い感じでしたね。

愛情あふれる作品でした。照れくさいような場面も多いのですが、楽しくて癒されます。
大和と由希子の今後は、どんな展開になるのでしょう?
次作の「ホリデー・イン」楽しみです(´▽`)

2014年12月23日 (火) | Edit |
三匹のおっさん ふたたび / 有川 浩



「三匹のおっさん」の続編です。

最初にマンガで、前回のあらすじが説明してあるのが良かったです。
「三匹のおっさん」を読んでから月日が経っているので、どんな内容だったのか…細かい所をあまり覚えていなかったので、助かりました~。

最初のお話は、祐希の母・貴子さんのパート奮闘記です。
貴子さんが主役のお話が、新鮮で良かったです。
今まで働いたことのなかった貴子さんが、お肉屋さんで働きはじめました。
この職場は、貴子さんには合ってないのですが、頑張っています。

今回は、三匹のおっさん&祐希以外にも、重雄の息子・康生が主役の話などもあります。
そして身近にありそうな事柄が多く、物語を絡ませて上手に問題提起しています。
気持ちが暗くなるような事件などもあり、三匹のおっさん達と一緒に落ち込んだりしますが、爽快な気持ちになる場面もあるので楽しめます。

ラストに「好きだよと言えずに初恋は、」というお話がついています。
「三匹のおっさん ふたたび」と、雰囲気の違うお話だなぁ~と思いながら読んでいると「日下部くん。」の文字が!
植物図鑑」の日下部くんが登場していました。驚きました~。
日下部くんは子供の頃と雰囲気変わってないですね。
思いがけず、小学生の日下部くんに会えて嬉しかったです(´▽`)

2014年12月21日 (日) | Edit |
ボクは坊さん。/ 白川密成



24歳で四国八十八ヶ所霊場第五十七番札所、栄福寺の住職に就任した密成(みっせい)さん。糸井重里さん主宰の「ほぼ日刊イトイ新聞」 に連載していたものを元に作られたエッセイ集です。

お寺に住んでいた白川さんは、子どもの頃から「和尚」と呼ばれていました。
密成さんは、普段から仏教のことを考え続けています。
難しい話も多く、読むのに時間がかかりましたが、高野山大学での話や、お坊さんばかりの野球の話、通販で買ったバリカンの話など、面白い話もあります。

文中で弘法大師の言葉を紹介しています。現代語訳も添えてあります。
たくさん紹介されている中で、印象に残った言葉があります。
人は他人を浄めることができない
どのような友をつくろうとも、どのような人につき合おうとも、やがて人はその友のような人になる。人とともにつき合うというのは、そのようなことなのである
人が人に与える影響の強さについて、考えてしまいました。

人は違う部分よりも、同じ部分のほうがずっと多い
日頃、人それぞれ違うなぁ~と思うことがありますが、確かに同じ部分の方が多いですね。

お坊さんの日常が語られている興味深いエッセイ集でした。

2014年12月17日 (水) | Edit |
ふたつのしるし / 宮下奈都



マイペースで他の子と一歩ずれ、周囲を困らせてばかりだったハルと、周囲から浮かないよう息を潜め、居心地悪く日々を過ごしていた優等生の遙名。別々の場所で生まれ、まったく違う人生を歩んできたふたりの成長と出会いを描く。

物語は、小学1年生のハル、中学1年生の遙名から始まり、数年ごとに時間を飛びながら交互に進みます。
色々な時期の二人の様子が良く分かります。
さらさらと流れるように進むので、とても読みやすいです。
けれど、ハルが高校生になり遥名が社会人になっても、人生はそれぞれ進んでゆき、なかなか2人が交錯しないので、もどかしい気持ちになります。
別々の場所で、恋や仕事や失意を経験しながら、2人はその時を迎えます。
2人が、とうとう出会った時は、とても嬉しい気持ちになりました。
2人が出会うのは、この時だったんだ。この時より、遅くても早くてもダメだったんですね。
しるしがついていたので、すぐにわかりました
ハルの正直で、素直な所が好きです。余計な言葉が一切ないので、気持ちがストレートに伝わります。

ところで、ハルは宮下さんの息子さんがモデルだそうです。
不器用なハルのことが、読んでる間とても心配になりましたが、健太くんの存在が安心感を与えてくれました。
とても良かったです。お気に入りの作品になりました。
読後感が素晴らしいです。

2014年12月16日 (火) | Edit |
グリーン・グリーン / あさの あつこ



主人公は翠川真緑(みどりかわみどり)通称グリーン・グリーン。都会で育った真緑は失恋のショックを炊きたてのおにぎりで、救われたことがある。お米の美味さに感動した真緑が出会った農林高校での日々。

あさの あつこさんは作品の幅が広いですね。
この作品は、農業新聞に連載されていたものだそうです。
田舎の物語はとても好きなので、こういう作品があると嬉しいです。

真緑は、新任教師として農業高校を選びました。
とても頼りなかったが真緑が、生徒や先生たちと関わり合いながら、成長していく様子が良かったです。
農業高校ということで、動物も登場し、花や野菜などの授業もあるのが面白かったです。
教師の大変さややりがいが真緑を通して描かれています。
爽やかで読後感も良く、とても読みやすかったです。
イラストもかわいいですね(´▽`)

2014年12月15日 (月) | Edit |
愛のゆくえ / リチャード・ブローティガン



ここは人々が一番大切な思いを綴った本だけを保管する珍しい図書館。住み込み館員の私は、もう3年も外に出ていない。そんな私がある夜やって来た完璧すぎる容姿に悩む美女と恋に落ちた。

本書の原題は"The Abortion"(堕胎・妊娠中絶)です。
洋書を翻訳したモノを読む時、本来の題名と邦題の題名があまりにも違うことにガッカリすることがあります。
題名って、すごく大事です。
特に海外のロマンス小説などは、原題を見れば内容が思い出せるピッタリの素晴らしい題名がつけられているのに、邦題になると、原題には全くない「愛」「恋」「純潔」「キス」「愛人」「花嫁」「結婚」などの言葉を入れた陳腐な題名に変えられ、題名を見ても内容が思い出せない…そんなことが多くて、残念で、残念でなりません。
(一時期、海外のロマンス小説を読みまくっていたことがあります)
この本の題名も、かなり雰囲気の違う題名に変えられていて、正直ガッカリしました。

この本は、「ビブリア古書堂の事件手帖」5巻に登場し、興味を持ち読んでみました。
淡々と物語は進み、時にはユーモラスな所もある独特の世界です。
なんとも風変わりな…奇妙な…作品でした。

2014年12月12日 (金) | Edit |
ワーキング・ホリデー / 坂木 司



「初めまして、お父さん」元ヤンでホストの沖田大和の前に、小学生の進が突然現れた。ひと夏を息子と暮らすことになった大和はホストをクビになり、宅配便ドライバーに転身する。

面白いです!今まで読んだ坂木さんの作品の中で一番気に入りました!
日常の謎のないお話も書かれていたのですね。こんな風に謎のないお話の方が好きかも…です。

若い頃の大和は、ヤンチャで危ないことばかりして、彼女だった由希子に心配ばかりかけてました。そんな大和が、今では、危ないことをする子供たちを注意するまでに成長してることが感慨深いです。
大和はもう昔とは違います。リヤカーを引いて、一所懸命に仕事をしている今の大和の姿を由希子さんに見てもらいたいなぁ。

大和を慕う進があまりにも、いじらしくて、かわいい。普段しっかりしすぎている進なので、ラストはもう切ないです。
夏休み中しか一緒に過ごせない大和と進の、不器用なやりとりが微笑ましいですね。
大和と由希子さんと進と3人で暮らせる日がきてほしいです。
どうなるのか…早く続きが読みたいです!



2014年12月10日 (水) | Edit |
ミーコの宝箱 / 森沢明夫



生まれてすぐに両親に捨てられ、祖父母に育てられたミーコの特技は、毎日「小さな宝物」を見つけること。孤独と不安のなかにも、一縷の希望を探し続けるミーコの半生.。

連作短編集です。
始めに、ソフトSMの女王として働くミーコが語り、その後はミーコと関わる人たち…祖父、小学生の同級生、中学の保健の先生、ボーイフレンド、風俗の店長、娘のチーコが語ります。

お前の目は毎日、小さな宝物を見つけるために有るのだよ
ミーコの手は、ありがとうの手にしなさい。あんたのその手は、他人様からお礼を言われるためにあるんだよ
ミーコのベースにあるのは、いつでも祖父母の「教え」です。
祖母は両親のいないミーコを心配し、自分の息子を甘やかし育てたことを後悔していたので、孫のミーコをとても厳しく育てました。
祖母はミーコに愛情を持っているのですが、それを表に出さず、いつでも怖くて虐待まがいな事をして、ミーコを怖がらせています。
その為、祖母の愛情はミーコに伝わらず、ミーコは家を出てから一度も帰らず、絶縁状態のまま祖父母は亡くなってしまいます。
そのことは、とても残念ですが、大切な娘・チーコがとてもいい子に育って、ミーコが幸せそうだったので、読み終わった後は、温かい気持ちになりました。
印象に残ったのは、小学生の同級生・久美ちゃんのお話です。一人ぼっちだったミーコに友達ができて安心しました。
他人と自分を決して比べないミーコが良かったです。


2014年12月08日 (月) | Edit |
かさねちゃんにきいてみな / 有沢佳映



6年生でカリスマ班長のかさねちゃんを先頭に、1年生で暴れん坊女子のミツ、2年生で人見知りののんすけ、2年生と3年生で忍者マニアの兄弟・太郎と次郎に、4年生のギャル系マユカと問題児リュウセイ、そして最後に5年生で副班長のユッキーが列をつくって登校する、間宮小・二班8人の子どもたちの毎朝の歩みを描く。

読み始めは、驚きました。描かれているのは、毎日、毎日、班で登校している時の様子だけです。
その部分しか描かれていないのですが、それがとても面白いです。
5年生の登校班副班長、ユッキーが語ります。
ユッキーは、一番後ろから、みんなの様子を気にかけて、よく観察しています。
そして、ユッキーは、かさねちゃんが卒業してしまった後、この賑やかなメンバーの班長をする自信が全くありません。
確かに大変そうですが、班の子たちが、みんな個性的でとっても愛らしいです。
そして、かさねちゃん…すごすぎです。カリスマ班長…納得しまくりです。
どんな時でも、落ち着いて、おだやかに思慮深く対応します。
そして、そんなかさねちゃんを好きなユッキーの心の様子が、ほのぼのしていて微笑ましいです。

リュウセイの母親が家に帰ってなくて、電気まで止められてることが分かった場面はドキッとしました。
子どもたちの朝の何気ない会話から、子どもが抱えている問題が浮き上がって、楽しいだけのお話ではありません。
けれど、ほっこりと温かい気持ちになります。
とても良かったです。
有沢さんの他の作品も読みたいです。