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2014年11月12日 (水) | Edit |
私にふさわしいホテル / 柚木麻子



「元アイドルと同時受賞」という、史上最悪のデビューを飾った新人作家・中島加代子。さらに絶体絶命のトラブルに次々と襲われるが、何があってもあきらめない不屈の精神で自分の道を切り拓いていく。

不運な新人作家が主人公という設定が新鮮でした。
あふれんばかりの野心と、奇想天外なアイデアで、運命を切り拓き、のし上がっていく様子は迫力があります。
最初は加代子の大胆さに驚きましたが、ずっと大胆なので、その突拍子もない行動にもだんだん慣れていき、加代子らしさを感じました。

加代子が周りを巻き込み、東十条先生が少しずつ変わっていく様子がいいですね。
朝井リョウさんや、他の作家さんたちが登場してきたのは驚きました。こういう遊び心は楽しいです。
その朝井リョウさんの台詞とか、文学賞の選考や、書評家の評価、読書メーター、アマゾンの星の数など…作家さんは、デビューしてからが大変なのだと思い知りました。
「批判でいちいち傷ついてたら、作家は身が持たないよ」という台詞もありました。
作家さんの本音のようなものが、作品の中に随分と明け透けに書かれていたように思います。そんな所も興味深く読ませていただきました。

次々と物事が展開していく様子は柚木さんらしい作品だなぁと感じました。
最後はちょっと寂しい雰囲気で終わっていましたが、新人だった加代子が次々と大胆に演技し、運命を切り拓いていく様子はとても面白かったです。