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2014年10月21日 (火) | Edit |
ミリオンセラーガール / 里見 蘭



彼氏にフラれ、アパレルショップの店長もクビになった沙智だが、心機一転、ファッション誌の編集者を目指して出版社へ転職する。しかし配属されたのは、書店営業を行う販売促進部だった。

近頃は、「○○ガール」という題名の本が多いですね。売る側の戦略通り、思わず読んでいますが……ガールの話は好きなので(´▽`)

主人公の沙智には、あまり共感できませんが、仕事にやる気を出し始めてからは面白くなります。
それにしても、本を売るのは、ややこしいシステムがあるんですね。
本の流通の問題点をうまく物語に組み込んでいます。

辰巳さんの店に「七里ガ浜奇譚」を一冊も配本してもらえないのは衝撃でした。
酷いです。POP書いてもらってるのに…。
沙智は出来ないのに、「絶対に入れます」なんて簡単に言っちゃうし…。
結局、一冊も入れられず…ガッカリでした。
配本が難しいのはよく分かりましたが、こんなんじゃ、小規模な本屋さんは余計に本が売れなくなっちゃいますね。

書店で働くのは大変そうです。
お客からすると、本屋さんの棚を見るのは面白いです。店によって、力を入れてる分野が様々で…推してる本も様々で。
ここの本屋には、このマイナーな本があるけど、あっちの本屋には置いてない!とか。レジが女性店員ばかりの所や、男性ばかりの所や。

この本は、出版社側と書店側の実情がどちらも公平に描かれています。
現在の本の流通の、複雑で良くない部分がこれから改善されていくといいですね。