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2015年02月17日 (火) | Edit |
アナザー修学旅行 / 有沢佳映



理由あって修学旅行に参加できなかった中学3年生の居残り組の3日間のお話。

第50回講談社児童文学新人賞受賞のデビュー作です。

修学旅行に行けなかった子たちが主役のお話なんて、意表をつかれました。
アナザーとはそういう意味だったんですね。
別々のクラスの日頃全く接点のないメンバーとの3日間。
修学旅行に参加できない子は、ちゃんと学校に行ってるんですね。

最初は、微妙な空気と距離感だったんですが、少しずつ変化していきます。
メンバーは、友達が多くて平凡な自分に満足している主人公・佐和子、ドラマで活躍している岸本さん、言動がマイペースな美少女・湯川さん。児童養護施設で暮らしている、学年一のもて男・小田くんと誰からも好かれる野宮さん。インテリヤクザ・片瀬くん。心因性嘔吐症で、保健室登校をしている秋吉くん。

いつもと違うことをしてみたり、ちょっと本音を話したり…この3日間だけの特別な仲間たち。けれど友達ってわけじゃないから、この3日間が終われば、またいつも通りの日常に戻って、今後話すこともないかもしれないけれど…。
だから、読み終わった後はちょっと切ない気持ちにもなります。
でも、この特別な3日間はいい思い出になるだろうな(´▽`)

3日間だけど、秋吉くんを教室に戻すことができたことが嬉しいです。
陽気で無邪気な小田くんと、秋吉くんのやり取りが特に好きです。
個性あふれるメンバーですが、すごくいい子たちで、みんな好きです。

かさねちゃんにきいてみなに引き続き、とても良かったです!

2014年12月08日 (月) | Edit |
かさねちゃんにきいてみな / 有沢佳映



6年生でカリスマ班長のかさねちゃんを先頭に、1年生で暴れん坊女子のミツ、2年生で人見知りののんすけ、2年生と3年生で忍者マニアの兄弟・太郎と次郎に、4年生のギャル系マユカと問題児リュウセイ、そして最後に5年生で副班長のユッキーが列をつくって登校する、間宮小・二班8人の子どもたちの毎朝の歩みを描く。

読み始めは、驚きました。描かれているのは、毎日、毎日、班で登校している時の様子だけです。
その部分しか描かれていないのですが、それがとても面白いです。
5年生の登校班副班長、ユッキーが語ります。
ユッキーは、一番後ろから、みんなの様子を気にかけて、よく観察しています。
そして、ユッキーは、かさねちゃんが卒業してしまった後、この賑やかなメンバーの班長をする自信が全くありません。
確かに大変そうですが、班の子たちが、みんな個性的でとっても愛らしいです。
そして、かさねちゃん…すごすぎです。カリスマ班長…納得しまくりです。
どんな時でも、落ち着いて、おだやかに思慮深く対応します。
そして、そんなかさねちゃんを好きなユッキーの心の様子が、ほのぼのしていて微笑ましいです。

リュウセイの母親が家に帰ってなくて、電気まで止められてることが分かった場面はドキッとしました。
子どもたちの朝の何気ない会話から、子どもが抱えている問題が浮き上がって、楽しいだけのお話ではありません。
けれど、ほっこりと温かい気持ちになります。
とても良かったです。
有沢さんの他の作品も読みたいです。