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2014年12月06日 (土) | Edit |
アヒルと鴨のコインロッカー / 伊坂幸太郎



引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的はたった一冊の広辞苑?

第25回吉川英治文学新人賞作品です。

伊坂幸太郎さん、初読みでした。
一度、この有名な作品を読んでみようと思いました。
読んでいる間、ドキドキハラハラしていました。
現在と2年前、交互に物語は進んでいきます。こんなに頻繁に話が入れ替わるのに、こんがらがらず読みやすいです。
重く、残酷な所もありましたが、琴美がどうなるのかと心配で読み進めていきました。

題名がいいですね。その意味も納得です。
現在の主人公である椎名が物語の途中で、自分はこの物語の脇役なのかもしれないと気付きます。そういう所は面白かったです。
この物語は、ブータンの「死んでもまた生まれ変わる」という輪廻の宗教が根底にあるのですが、やっぱり読み終わった後は切ない気持ちが大きいです。

「他人が困っていても、たとえば痴漢に遭っても、見なかったふりをする」と言っていた麗子さんが、2年後には痴漢に遭っている女の子を助け「誰かが不幸になるのは、まっぴらなんだ」と言っていたセリフが印象的でした。

この作品は、伏線がとても多いので読み返したくなります。伏線だらけです。
読み返してみると、ドルジは琴美が何気なく言ったことを、ことごとく実行しているし、また他にも色々な発見があって面白いです。
よく作り込まれているなぁ~と感心しました。
小説ならではのトリックのように思ったのですが、この作品は映画化されています。一体どんな風に映像化されているんだろうと?と興味があります。

哀しい物語なのですが、クロシバが元気そうで、それが分かった時は、ほっこりとした気持ちになりました。
また伊坂さんの他の作品にもチャレンジしたいです