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2015年03月05日 (木) | Edit |
僕は小説が書けない / 中村 航 中田永一



引っ込み思案で心を開くことができず、親しい友人もいない、生まれながらに不幸を引き寄せてしまう光太郎は、高校で先輩・七瀬の勧誘により廃部寸前の文芸部に入ることになる。個性的なメンバーにもまれながら、小説の書き方、自分の生き方を模索していく。

中村航さんと、中田永一さん、二人の合作…どうやって二人で書いたんだろう?と思いながら読んでいました。
まさか交互に書いてるとは、全く気づきませんでした。
ふたりは研究中の「ものがたりソフト」を使って何度も打ち合せをしながら、プロットを完成させ、5~10ページほど書いたら相手に原稿を送り、約1年間かけ二人の間を約30回往復し物語は作られたそうです。
驚きました。そんなことができるなんて…すごいです!

小説の書き方など面白かったです。何でもいいから物語を書いてみたくなります。
登場人物がみんな個性的で楽しく読めました。
イラストも可愛くて、内容にぴったりです。
読後感も爽やかでとても良かったです。


2015年01月21日 (水) | Edit |
リレキショ / 中村 航



「弟と暮らすのが夢だったの」という姉さんに拾われて、彼女の弟となった19歳の「僕」。新しい名前は「半沢良」。面接用に書いた「半沢良」の履歴書に物足りなさを感じた「僕」は、真っ白な紙にもうひとつの「リレキショ」を書き上げる。

第39回(2002年)文藝賞受賞作品です。

不思議な雰囲気の小説で、すぐにお話の中に引き込まれました。
ちょうど私も履歴書を書いたばかりだったので、親近感も湧きました。
主人公の半沢良、姉さん、山崎さん、ウルシバラさんなど、登場人物が独特な魅力があり好感が持てます。
「半沢良」となった彼は「半沢良」として普通に真面目に生活し始めます。
謎だらけで、掴み所のないようなお話ですが、読みやすいです。
読み終わった後はスッキリ……ということはないのですが、爽やかで心温まる作品です。

2014年11月28日 (金) | Edit |
小森谷くんが決めたこと / 中村 航



「僕、お医者さんに、余命2ヶ月って言われたんですよ。でも生き残っちゃいましたけど。」 どこにでもいそうで、ちょっといない、小森谷真というごく普通の男子の実話をもとにした、30年近くに及ぶ半生の物語。

まずは、題名が気になりました。
小森谷くんは一体何を決めたんだろう?
それが知りたくて、この本を選びました。

想像していた内容とは違いましたが、小森谷くんの半生に引き込まれました。
小森谷くんは、ごく普通の男の子とありましたが、読んでみると小森谷くんは普通かな?と、ちょっと疑問に思います。
そして「普通」って何だろう?って、考えてしまいました。
小森谷くんは高校や大学はさぼりまくっていましたが、英会話や、映画の配給の仕事を学ぶスクールには、ローンを組んでまで勉強します。
「小森谷に仁義ナシ」で、他人の気持ちが分からなかった小森谷くんですが、働くことに関しては、生真面目すぎるくらいで、働きすぎなくらい働いてしまう。
高校生の時からバイトに精を出し、ブラックなバイトでは朦朧となるまで働き続けます。
人間て、色んな面があるなぁ~と、改めて思いました。
真面目な面もあり、不真面目な面もあり、こだわる所と、全くこだわらない所があったりして…一人の人間のことを一概にこんな人って決めつけられないですね。

小説の中に、作者や編集者が登場するのが面白かったです。
この、茫漠とした編集者も実在の人物なのでしょうか?
中村さんの作品、初読みでしたが、とても丁寧な文章で読みやすかったです。他の作品も読んでみたいです。