FC2ブログ
2016年10月16日 (日) | Edit |
よっつ屋根の下 / 大崎 梢



勤め先の大病院の不祥事隠蔽を批判し、犬吠の地方病院に飛ばされた父。製薬会社に関係の深い実家を気にして、父についていこうとしない母。ぼくと妹は、それぞれ別のほうについていくことにした……。

父・母・息子・娘、それぞれの語りでの連作短編集です。
まだ小学6年生の息子・フミはよく父についていったものだと感心しました。フミの語りで始まったので、こんなに父と息子はこっちに来てほしがっているのに、どうして母は頑なに東京を離れないのか?その気持ちが理解できませんでした。ですが、母の語りを読むと、う~ん、こちらは娘としての確執があるのかぁ~と……。
父・滋の一途さに驚きました。華奈を追いかけて東京に行くなんて…そして、こんなに長い間離れて暮らしていても、浮気もしないし…ステキな人です。
そして子供たちがホントにいい子たちです。
みんな、それぞれが家族と一緒に暮らしたいと思っているけれど、それぞれ譲れないものがあって…。
離れて暮らすことになり、それぞれが家族のことで迷ったり悩んだりし続ける。
てっきりラストは四人一緒に暮らすのかと思いきや……読み進めるほどに年数がどんどん過ぎていきました。こんな家族の在り方もあるのですね。ラストも良かったです(´▽`)


2015年04月10日 (金) | Edit |
ねずみ石 / 大崎 梢



中学一年生のサトは四年前の祭りでの夜の記憶がない。その時、村で起きた母娘殺人の犯人は未だに判明していない。親友セイとともに、祭りを調べていくうち、サトは事件の真相へと迫っていく。

ミステリーだと知らずに読み始めたので、途中で驚きました。
「夏のくじら」「クローバー・レイン」「配達あかずきん」とも雰囲気が違います。
田舎の独特の空気が伝わります。
そして、また新たな殺人事件が起こったので怖くなり、ハラハラしました。
隠し事はそれぞれあっても、サト、セイ、修ちゃんが爽やかだったので読みやすかったです。
修ちゃんの舞、見たいなぁ(´▽`)

2015年04月02日 (木) | Edit |
夏のくじら / 大崎 梢



大学進学で高知にやって来た篤史は4年ぶりによさこい祭りに誘われる。初恋の人を探すという淡い望みを抱いて参加するも、個性的なチームの面々や踊りの練習、衣装も楽曲も自分達で作るやり方に戸惑うばかり。祭りの高揚を爽やかに描く青春小説。

「よさこい祭」…名前はニュースなどで聞いたことがあるのですが、どんなものか知りませんでした。
毎年、曲や踊り、衣装も一から考えるなんて驚きました。これだけ大変で、参加料も高いのに、こんなに多くの人がこのお祭りに関わり参加するというのは、それだけの魅力があるからなんでしょうね。
「よさこい祭」…スゴイです。

やる気のなかった篤史が、祭りに引き込まれていく様子も面白いです。
高知弁がいいですね。
よさこい祭り、一度見てみたいなぁ。

祭りの熱気や高揚感がダイレクトに伝わり、まさしく青春な物語でした。
大崎さんはこんな作品も書くんですね。良かったです!


2015年02月06日 (金) | Edit |
クローバー・レイン / 大崎 梢



大手出版社に勤める彰彦は、落ち目の作家の素晴らしい原稿を手にして、本にしたいと願う。けれど会社では企画にGOサインが出ず、彰彦は本を届けるために奔走する。

主人公・彰彦の生真面目な仕事ぶりと、何にでも真っ直ぐなところに好感をもちました。
編集者がいいと思った原稿でも、それを本にするには大変なんですね。色んな難関が…。
普段から、きちんとした仕事をしている彰彦だからこそ、らしくない強く熱い思いをみんなが受け入れて動いたのでしょう。
どんなに良い作品でも、本にして売らなければみんなに読んでもらえない。たしかにそうですね。
原稿をキープしたまま、本にしてもらえないことがあることも驚きました。その間は、他社に持っていくことも出来ないまま、埋もれてしまうこともあるなんて…。一部の有名作家さん以外は、厳しい現実ですね……。

若王子、編集長、他社の編集者・国木戸など、魅力的な登場人物が多く、ユーモアある会話がまた楽しいです。
他社の編集者とあんなに会ったりするんですね。

冒頭に登場した、彰彦に出版を断られた作家・倉田さんのことがずっと心配でしたが、再び登場し安心しました。

とても良かったです。
大崎さんの作品、もっと読みたいです!

2014年11月26日 (水) | Edit |
配達あかずきん 成風堂書店事件メモ / 大崎 梢



駅ビルの6階にある成風堂書店を舞台に、しっかり者の書店員・杏子さんと、勘の良いアルバイト大学生・多絵ちゃんが、書店で起こる謎や事件を解決します。

5つの連作短編集です。
「日常の謎」という雰囲気のミステリですが、全て本にまつわる謎です。
ハラハラする場面もありますし、それぞれが全く異なる謎なので、そのたびに雰囲気も変わり、読んでいて楽しいです。
そして、それぞれ読後感が爽やかで、すっきりとした気持ちになります。

作者さんが書店で勤務されていただけあって、書店の内輪話も面白いです。
書店員さんが配達もしてるんですね~。
登場人物の杏子さんや多絵ちゃん、ヒロちゃん、みんな好感が持てます。

題名がかわいいですね。
そして、本がいっぱいの表紙も面白いです。

大崎さんの作品、初読みでしたが、 とっても気に入りました(´▽`)
シリーズ物というのが、また嬉しいです。
続きが楽しみです♪