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2014年11月08日 (土) | Edit |
ポプラの秋 / 湯本香樹実



夫を失ったばかりで虚ろな母と、小学1年生の千秋。二人は夏の昼下がり、ポプラの木に招き寄せられるように、そのアパートに引っ越した。18年後の秋、お葬式に向かう時、約束を守ってくれたおばあさんや隣人たちとの歳月が鮮やかに甦る。

「夏の庭」を以前読んだことがあり、とても良かったので、また湯本さんの違う作品を読んでみたくなりました。

「ポプラの秋」…なかなか深くて重いお話です。
湯本さんはなぜこんなに子供の気持ちが分かるんでしょう?
この本を読むと、自分の子供の頃の気持ちを思い出します。
子供は、とても敏感で、怖がりで、子供の自分ではどうしようもできないことが分かっていて、逃げることもできない。
小さい千秋が、強迫神経症になってしまい、誰にも頼れずに苦しんでいる様子は胸が痛くなりますが、不気味で近寄り難かった大家のおばあさんと一緒に過ごし、お父さんに手紙を書き、元気を取り戻していきます。
しっかりしているオサムくんの登場にも、とてもホッとしました。

お母さんの手紙を読んでから、千秋の父親は謎です。
昔の恋人などに手紙を残して」の部分に妙に引っかかってしまいます。
お母さんはあんな辛い時でも、千秋を守ろうと必死だったんですね。

「あとがき」もとても良かったです。
臆病な子供から臆病な大人になった湯本さんに祖母が言った言葉。
一日一日をだーいじに、好きなように、生きなさいよ